まぁ、契約しようぜ☆

     

 

「僕との契約はお高くつくよ、そんな事より磯野!契約しようぜ」

誘う者、その頂点に君臨する男は、彼しかいないと私は思っている。揺るがない、けして揺らぐ事の無い、彼だけが持ちえる高等な契約テクニック。

 

「確かにアナゴさんは強いよ、けどさ磯野、……僕と契約したら、倒せるんだぜ?」

 

  超級SAZAE=SAN外電 【契約者中島弘】

第一話 「中島」

 

、中島弘を知らない人間はいないだろう。 温厚な磯野の友人である、

がしかし、今回のこの中島は皆の知っている中島ではない、そう並行世界だと思っていただきたい。

彼への自分勝手な解釈を許して欲しい。彼に謝罪をすると同時に始めたいと思う。

 

ごめんなさい、という事で中島はいつもと変わらぬ足取りで磯野家の玄関へと足を運んでいた。

 

ピンポーンという、聞きなれたチャイム音が鳴る。

 「どうも、中島ですけど」

どうやら磯野の姉が出たようだ

 「…中島……なんですけど」

 「あら、中島くん、カツオね」

それだけ言うとインターホンは切れた

 「やぁ中島、どうしたんだい?」

 「いその〜」

いつもの会話

 「そうそう、今日は磯野に話しておこうと思ってさ」

 「何をだい?まさか買い物に付き合ってくれとかじゃないだろうね? 今日は野球も勘弁してくれよ?録画してたIS消化しなきゃいけないからね」

 「なんだよ磯野、お前まだ見てなかったのかよ、俺なんてリアルタイムで見てたぜ」

 「止してくれよ、僕は中島みたいに深夜に起きてなんていられないんだ」

 「あ、分かった、磯野お前はオルコッ党だからなぁ〜、最近セシリアの出番少なくてモチベ下がってるんだろ」

 「お前人の話聞けよ」

 「まぁ、結局のところISなんて結局のところさ、駄作のバーゲンセールの中でたまたま光っただけの繋ぎじゃん?

 「は?」

 「そんなに考えるほどじゃないぜ。所詮ただのブヒアニメさ」

 「馬鹿中島よせ!!」

言い終えたか、終えないかの所で銃声がした。

 「ヒッ」

僕は今更になって後悔した、磯野の言っている意味も理解した、だが遅かったかもしれない。

 「ISが……ん?なんだって。 オラ、言ってみろや坊主」

常識が通用しない、大人が、来てしまった。

 「あわわ、じゃあ…中島、そういうわけで僕はIS見るから今日は無しな」

 「磯野!!まってくれ!!見捨てないで!!助けて!!!」

 

 

「オラ、坊主、難しい質問じゃあないだろ、言ってみろや、な?ISが、なんだって?んん?」

僕は、恐る恐る囁いた。 だって、姿が見えないんだもの、しかし声はエコーが掛かっていて、しかもデカイ。こりゃぁ近所迷惑なんてモンじゃねぇな。磯野、お前も聞いてるんだろ。

ピシュンッ

 「ヒッ」 (さ、サイレンサー、ほ……本気だ…本気で殺る気だよ)

射角は…… はっトンだド素人だ。

 「悪いね、いささかさん。僕は磯野ほどのリアクションはしないよ」

 「い……そ…の?」

バシュンッ

よし、動いてれば当たる事はない、銃一丁でトンじまうなんて本当に素人らしいな。

ポケットから薬莢を取り出す、そしてバラバラにして携帯している重火器のパーツを組み立てる。

 「バラバラにして持ってれば、銃じゃあ、ないってね」

 「サスペンション!!!シューッツ!!」

パシュンッ

 「頭がさ、がら空きなんだよ、そんなに当たらない弾撃つなんて頭おかしいんじゃない?位置教えてくれてありがとよ、いささか」

ストン………重いモノが落ちる音だ。 ハハ、僕もトンでるねぇ、愉快に素敵にさぁ。

 「磯野ー!おーい、磯野ー、殺っちまったよー」

ガチャリ、玄関のドアが開く

 「本当かい?中島…」

 「ああ、さっき頭がコンクリートにぶつかる音したもん、あれいつ聞いても痛そうだよな」

 「それじゃあ……確かめに行くか中島…」

 「ああ……磯野」

僕たちは暗殺者のマンションの階段を登っている、……見つけた。目の前に転がっている。

 「はは、はははははは!!!!」

ぐしゃぐしゃ、蹴ってる、磯野が笑いながら亡骸を蹴っ飛ばしてる

 「もう…よそうぜ?な、コイツ皮膚が剥がれてるよ」

 「うんそうだねだから?」

ははははははははははははははははははははははははははhははははははははあhっははhhhhhっははは

ぐしゃぐしゃぐしゃ、もぐもぐもぐ

バシュンッ

 「チッ、磯野隠れろ!!」

 「ヒッ」

磯野は瞬時に亡骸を持ち上げ自分の盾にして階段の奥へと隠れた

上の階からだ…、この場所での銃撃戦は無意味だぞ、奴も素人か?だったら何故だ、狙いはなんだ、僕じゃあない、なら、磯野か?いやしかし磯野はもう……

 「はっはー、いいわねぇ、若くて!!!!」

「あ……あなたは。」

そう、この人はいささかの奥さんだ。

「行くわよ、主人と遊んでくれた礼、しなくちゃあねぇええ!!!」

バシュン

ドス

 「え……」

後ろから誰かが刺した……のか?

奥さんが倒れる、死ぬ、絶命、絶滅、御釈迦、南無三

 「私は……アァアアアアアアアアアナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオだぁああああああああああああああああああああああああ」

な……いくらなんでも早すぎる

「もう一度だけ言うぞ、坊主、 私の名は アァアアアアアアアアアアアア!!!ナアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオヴォアルァアアアアア!!!!」

そう咆哮すると同時にアナゴは突進してきた

 「クソ!!磯野下だ、このマンションから脱出しろ!!」

「はっはぁあああ!!!!!遅いわ!!!眼鏡!!!」

 「ぐっ!!」

アナゴの強烈な右ストレート、そして蹴られる、まず…い……。

「一つ問う、坊主、貴様、こんな非生産的なゲームをしていて満足か? 楽しいか? 」

 「うる……さい……僕は…かつんだ…死ぬわけには…いかない…」

わき腹に強烈な蹴りが入る、と同時に左フックそして右からアッパー

←⇒←←←↑

6回か……キツイな…

 「サスペンション!!!イァアアエエエエエエエエハァエエエエ!!」

バシュンッ

僕は撃った。

 「効かぬは、坊主!!」

 「流石は、彼方が戦争に参加していたら我々は勝てなかったと某国に言わせただけの事はありますね…」

 「世辞なぞ聞き飽きたぁ……そろそろ、お開きだ、もう…終わりなんだよ」

 「うっ 売るさあぁあああああああああああああああああああああああああああい」

効かなくても、死ななくても、勝てなくても、僕はかつんだ!!!じゃなきゃあ!!!じゃなきゃあああ!!!

「おもしろい!!!こいやぁあああ!!!メガネェエエ!!!!」

「行くぞ若本………仕入れの状況は十分か?」

 

「ほざけぇええええええええええええええええええええええええええ!!!」

若本の咆哮により、2ラウンドのゴングが鳴った。

お互いに考えてることは同じ、武器を捨て、己の肉体のみでの戦い、いや叩い、叩き、敲き合い

「分かるだろ!!なぁ!!!なんでこんな事すんだよ眼鏡!!!ほっとけよ!!!なんでそんな地獄を見たがるんだよ!!!もう純分じゃねぇのか!!なああ!!俺達は十分地獄を体験したんじゃねぇのかよ」

 「僕にとっては、今のほうが地獄だ!!」

殴り、殴られ、殴り返したと思ったら殴られてる、けど結局拳は相手の頬に…

 「ぐっ……」

 「はぁっ!!」

 何故戦い続けるかって?このバトルロワイアルのるの理由だって?

そんなのきまってるじゃないか。

 

この世界が終わってしまっているからだよ

 

磯野家は全員死んだ。 飛行機の事故でな。 死んだんだよ!!!

死んだんだ。けどさ、おかしなことにさ、家族は全員生きてたんだよ。

おかしいだろ?死んだのに生きてるんだぜ?

僕は最初に見たときには、……どうしたんだろうね、もう忘れたよ。

飛行機が墜落した。それは事実だ、ニュースにもなった。

映像も、何度も見た。けどさ

けど、さ、 生きてるんだよ、磯野。 なんでだろうね。

けど、体は死んでるみたいでさ、目とかもちょっと腐ってて濁って、もう白くも、ないし…

けど動くんだよ

けど

動くんだよ

動くんだよ

最初はさ、普通だった。

事故があったのに、絶対に生きてるはずないのに、平然と一家は揃って帰宅した。

近所中も大騒ぎさ、みんな大丈夫だったのか?って野次馬もいたよ

けど、次第にその野次馬も消えていったよ、

いや、

正確に言うなら、さ。

食われていったよ。

 

みんな磯野家に入るんだよ、けどさ、帰ってこないんだ。

不思議だろ?

そしてさ、そんな日があった後に磯野の様子を学校で見てみると、ちょっと、腐敗が収まってるんだ、いやむしろあれは再生してるね。

よくなってるさ。

この事を知るものはもう、僕と、今もこうして拳で殴り合っているアナゴさんだけだ、

サブちゃんも、ノリスケさんも、花澤さんも、みんな、みんな、

はは。

僕はさ、最初は磯野を殺すつもりだった。 僕が磯野を何度も誘う理由、それはさ、

 

この手で磯野を殺す為に誘ってたんだ、何度も、何度も。

けどさ、腐ってくあいつも見てられなくてさ、そして、何をしなくても勝手に磯野家へゲストは招かれる。

そして食される。 こうして段々磯野家は、平常へと、普通になっていった。

狂ってる、狂っているのは僕なのかい?

そして、普通の日々が始まった。

ここからの日常はTV版サザエさんを見てくれ。この話はあれが完結してからの話だ、

僕もすっかり忘れてたさ、いや忘れるのが一番だったんだろうね、

けどさ、終わりってのは来るんだよね、それは突然に、

けどさ、終わる本人は自覚してるもんなのさ、 ああここで終わりか

ってね、気づかぬフリをしているだけで、死期ってのは誰でも分かるんだ、なんとなく想像できちゃうんだよ、

けど人はソレを無視して、平常を意地で維持する

こうした思考停止した馬鹿共が寄って集って。また思考を麻痺させ、真実への直感を鈍らせる。

だからさ、言うじゃん、戦争してる人間は、常に死を感じてる人間は感覚が違うってさ、タガ外れてるんだよ、いい具合にさ

僕もそうだった。そうしたかった。

けどさ、ある日、僕は車に轢かれた。

轢殺

死ぬ

殺される

殺す

誰が

誰を

人が

人を

人……?

殺す

殺人

殺人、 誰が?

いそ…

の…?

え?

う、

 

ああああああああああああ

ぁうあ

ああああああああああああああああああああああああ

うぁぎゃぁあぁxあぁあx助けて!!嫌だ死にたくない食われたくないイヤダイヤだいヤだウソダ一人はいやだ消えるのか食われるのかどうなるのねえあああああああああ

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

………

……

 

こうして、僕は全てを思い出した。 死ぬかもしれないという、死がトリガーとなって封印していた、記憶、この世界の謎を思い出したんだ。

考えてみると、おかしい、僕は何度も夏休みを繰り返しているような気がしていた。長い、何度も、けどいつかは終わると分かっている。

はずなのに実感がない。

冬休みもだ。

何回も、ぼくは同じ学年な気がしてきた。

ひょっとして

僕は

成長してない?

じゃあ、僕は人?

けど、待っておかしい。僕の周りの人間は?

何故みんな同じなんだ、同じ時を繰り返し過しているんだ。

僕は、こうして、一年を過してみた。

しかし、気がつくと、いつも年の終わりと始まりの記憶が、描写がないのだ。

気がつくと、いるのだ。

そして、磯野家の前にいて、野球を誘う。

この繰り返し。

ここで直感しか。

この世界は仕組まれてる。

いや、プログラムされている。

与えられた行動、役割、役目しか負えない。

自我が無い。

なら、今の感情は?なんだ?

誰かが僕を操っているとでも言うのか? 

まさか……あの事故で…

僕のプログラムの一部にバグが出た……

そう考えるのが妥当なのか?

けど、そうとしか考えられない、今までの行動はおかしい今思うと。

けど、何の疑問も抱かずに僕はそれを繰り返していた。

だから、僕は磯野を殺そうとした。けど

殺してなんになるんだとも思った。

別に心を失っているわけではないんだ、人さえ食ってれば、あいつは普通だ。

そして、僕自身も、人のことはいえないかもしれない。

だって、もう40年近く経っているはずなのに、僕は今だ子供のままなんだから。

こうして僕は考えて、一つの答えにたどり着いた。

 

磯野家が、磯野がこの世界の鍵、この世界の中心なのかもしれないと。

 

きっかけは磯野なんだ、今思うとそうだ、物語りは全て磯野家を中心にしている。

そんな気がした、だからあの飛行機事故も、何か、もしかしたら、この狂った世界を破壊する方法だったのかもしれない。

そう思うようになった、それから僕は磯野に事情を話してみた、そうすると、磯野は 最初から知っていた。

と言うのだ、それをはじめて聞いてから僕は一ヶ月は磯野を見る事は出来なかった。

なんだ?一体。 この世界は、なんだというのだ?

僕は、それから一つ気づいた。

この世界には明らかに人間が少ないのだ。

磯野家の周りにしか人間がいないのだ。

それに気づいた僕は殺人を犯した。

が、警察もやはり少ない、全然いないのだ。そいつらを殺したら

 

警察は消えた。

そして、僕は学校の人間も殺してみた、磯野家の餌にさせた。

やはり何も起こらない。

親達の反応もおかしい、見えていない。まるでインプットされていないとでも言うように。

平然と息子を殺された母親とサザエさんが世間話をしていた、

悔しいことに話の内容、サザエさんの渾身のギャグが面白くて笑ってしまった。

普通なのだ。あくまで・

こうして 

最終的には、磯野を誘う理由が、殺人の為になった。

「はっはぁあああああああああ!!!」

こうして、最終的に残っているのはアナゴさんだけだ

 「負けるわけには行かない!!いかないんだぁ!!真実を見つけるまで!!地獄から這い上がるために!!」

 だから僕は叫んだ

 「こおおおおおおい!!!磯野ぉおおおおおお」

ぐしゃ

もぐもぐ

もぐ

 「はははは、眼鏡、磯野は無しだろぉお、常識で考えろぉお、あれはな!!!あれはぁなぁああああああああああああ」

 「世界の中心!!神そのものなんだよ!!」

なんだって、

「だがな、うっかり神が事故っちまってバグが出ちまった」

 

 

「その果てが今なのよ」

 

次回予告 

 

「磯野…お前は……」

 

「また……野球しような」

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